クボタ ミニ耕うん機TMA300の修理
出会い
馴染みの中古工具ショップに行くと、まだ値段が付けられていないミニ耕うん機が店頭に置かれていました。
話を聞くと、スターターロープを引っ張ってもエンジンが始動しないとのこと。
前所有者が長期間放置していたところ、そのような状態になったそうです。
すでに同じ馬力のやつを2台も持っているのでめちゃくちゃ悩みましたが、修理してみたい欲に負けて購入。
「店に置いてあっても邪魔だから」という事で5千円でした。
原因探求
現象
・スターターロープを引いてもエンジン始動せず。
・エアクリーナーボックスにポリッシャーのスポンジが入っている(!)
だいぶ、粗雑な扱いをされたようで・・・
修理
キャブレター清掃
まずは1番怪しいキャブレターの清掃に取り掛かる。
エアクリーナーボックスに3個のボルトがあるため、そちらを外す。
画像の左側2個と、エンジンオイル注入口側の1個。(1個の方は外してあるけど)
外すとこうなっている。
手前側にある黒いホースが燃料ホース。
たっぷりガソリンが入っているので、取り外したら即上に持ち上げてガソリンが噴出しないようにする。
キャブに接続されているチョークとガバナロッドを外す。
チョークは簡単に外れるが、ガバナはラジオペンチで指している通り、外れ防止のストッパーが付いているのでこちらを外す。
チョークはボルトを外さないと取れないかと思ったが、上に引っ張ったら抜けました。
キャブを取り外した直後の本体側とキャブ内部。
汚すぎる。。。。フロートチャンバーにいたっては錆びてる上にガソリンだった物がネトネトグチャグチャで、一部は硬化していた。
どれだけ放置していたらこうなるのだろう?
エンジン側もメインノズルも茶色い物で塞がったり詰まったり。
バタフライもネトネトして動きが悪い。
この年代のクボタは結構コストカットしているのか、燃料コックはキャブにくっついていました。
この中にはゴムのパッキンがあるため、洗浄前に外します。
どうでもいいけど、ニードルもプラスチックなんだね。
キャブレタークリーナで洗浄、ブラシで磨きを繰り返すこと約40分。
ようやく綺麗になりました。
フロートチャンバーはブラシの形状的に清掃が難しかったのでこのまま。
ところで、真ん中画像のフロートの固定部分もプラスチックだったんですが、はめ殺しで取り外せない構造になっているみたいです。
クリーナーをかけても大丈夫な設計なんだろうか?
とりあえず再度組み立てる
ガバナロッド
エンジンがアイドリングを行う際に、ガソリンの流入量を調整する必要がある。
人が手でやってたらキリが無いので、ガバナ機構という仕組みで半自動的に調整してくれる機構がある。
問題はその調整を伝達する「ガバナロッド」と言う棒がこいつに無い事だ。。。
もうここまで酷い状態だと笑ってしまう。
どういう扱いをしたらこんな所の部品が無くなるんだ・・・?
あまりこういう小手先のインチキはやってはいけないのだが、洗濯ばさみのバネ部分をカットして伸ばしガバナロッドにする。
※こういう事をすると、最悪なにかの拍子にエンジン回転数が上がり過ぎたりして故障に繋がったりするので、
皆さんはきちんと部品発注して下さい。
存在しないガバナロッドを想像で作るので、曲げてははめて、動かしてみての繰り返し。
幸いにもガバナロッドに付帯する戻りのバネは残っていたので、一緒に取り付けを行う。
試運転の結果、ちょっと動きがピーキーですがスロットルの動きを伝達する事ができました。
耕運爪
爪もひどい
全部が全部錆びていて固着。
ピンも抜けないので、ハンマーで叩いて少しずつ抜いていく。
ラチェットで各爪のボルトはかろうじて外す事ができたが、ピンを抜いたら脱着できるユニットは
ピンを抜いてもびくともしない。
もうどうしようも無いので、クレ556を噴霧しまくって終了。
回転しているうちに外れる事を願うしかない。
抵抗棒のピンも抜けない。
やっと抜いたら各ピンが抜けない理由が分かった。
ホームセンターで買って、横着してバーコードのシールを剥がしていないのである。
ただでさえ錆びて狭まっているいるのに、シールでトドメを刺してる感じですね。
とりあえずこれにて回転動作はするようになったので、どうでもいい畑に置いておく用にすることにしました。