ナカトミ製チェーンソー GCS-355の修理
いきさつ
農家仲間に「チェーンソー欲しいな」とつぶやいたところ、「買ってから一度も使っておらず、最近使おうとしたら燃料が漏れて使えないやつがあるからいらないか?」
というお話がありました。
ありがたく頂くことにいたしました。
現象
長期保管(約9年)後、使おうと思ったら燃料が漏れてきてしまい始動不可。
買ってから一度も使っておらず、チェーンオイルくらいしか入っていなかった。
修理
※毎度のことながら、素人修理なので真似して何か起きても保証はいたしません。
1.リアハンドル下のカバーを取る
エンジン形式などが書かれたシールが貼ってあるカバーには2個ネジが付いており、外すと上の画像のようになっています。
指で指している部分が裂けてしまい、燃料が漏れていました。
プライミングポンプも劣化しており、何回か押すと破れてしまったため、樹脂類の経年劣化による不動と予想されます。
2.損傷箇所確認
とりあえず燃料ホースを外してみたが、キャブに繋がる箇所と燃料タンクに繋がるグロメットが燃料ホースと一体成型になっている。
キャブ側は燃料ホース直結でなんとかなりそうだが、グロメットはドリルで穴を拡げ、汎用燃料ホースが通るように加工した。
3.キャブを取り外す
キャブを外すにはまず本体後部のエアクリーナーを外す。
黒いカバーを外した後、白いエアクリーナーにネジが2本付いているのでこれも外す。
↑そうするとこのようになる
次に安全レバーから連動しているアクセルスロットルの針金を取り外す。
リアハンドルのネジを外し、安全レバーを外す。
その後、アクセルレバーから針金を外す。
そうするとキャブがフリーになるので外す事ができる。
↑外した直後
4.燃料ホースの取付
もとあった通りに燃料ホースを付けていく。
キャブのホースは写真のようにすると付ける事ができない。
キャブに付けてからコネクタを使ってタンク側のホースにつなぐのが良い。
↑左のホースは「コネクタいらないんじゃね?」と思って試しに直結にしてみた。キャブへのホース接続がハチャメチャに難しかったのでおすすめしない。
5.プライミングポンプ交換
アマゾンで購入したこちらを使用。
ポン付けでした。
6.始動テスト、、、始動せず
引いても引いても始動せず。。。
一回も使っていないとの事だったが、キャブレターも分解しないと駄目そう。
7.キャブ分解
ダイヤフラムを外す。キャブ自体は綺麗。
しかし、ダイヤフラム自体が劣化していた。左が交換前、右が新品。
燃料が入っていなくても劣化するようですね。
ダイヤフラムはこちらを購入。
メタリングダイヤフラム以外は使わないので捨てる事になりましたが。
8.始動。。。のはずが
交換後、始動テストをするが始動せず。
何回もスターターロープを引っ張っていたところ、燃料が排気管から出てきてしまう。
実はアイドルスクリュをきちんと閉めていなかったり、Low・Highのスクリュ調整をきちんと行っていなかったため始動しなかったようだ。
そんな事は知らずに引きまくったせいで燃料が供給過多。いわゆる「プラグかぶり」の状態になってしまい、余計に始動しなくなるという悪循環。
チェーンソーは初めてと言えど、きちんとYouTubeやブログなどで調べれば防げた事象である。反省。。。
エンジンの燃焼室とプラグをしっかりと乾かしたところ始動できるようになった。
その後、Low・Highのスクリュを調整し、木がきちんと切れる事を確認して修理完了となりました。
でも25ccクラスのチェーンソーって結構非力で、直径5センチの生木を切るのも大変でした。
9.その他消耗品交換
プラグは「BPMR7A」
念の為交換を実施。
また、フロントハンドルのゴム部分が経年劣化で破れてしまい、ネジが外れてしまっていたため操作性に難があった。
エポキシパテを埋め込んで、図のようにネジで固定できるようにした。
他社のチェーンソーを見ると、ハンドルなどは本体に直に固定する方式が多いようなので、この機種固有の問題かもしれない。
(そこまで長い期間使う事を想定されてないのだろうが・・・)
以上、チェーンソー修理でした。
チェーンソーのオイルポンプ交換の仕方
オイルポンプの交換の仕方がどうされましたか?
アイドルスクリューは閉め切るのですか?何回転か戻しますか
全閉めから一回転半戻します。
ただ、個体差・気温などで適正な回転量は変わってくるので、アイドルを見ながら調整する必要があります。